地松はまだあります!

 昔から中国地方は地松の産地でした。海岸線に沿った所は松くい虫で、松は枯れてきましたが、まだ山の奥深くには立派な松が存在しています。
 地松は粘りがあり、力が強いので、本格的な日本木造建築の、梁や野物、桁、柱などの構造材に適しています。乾燥機に入れて乾燥させた、人口乾燥の地松は くるいやすく、つやもなくなります。
 人口乾燥の木はまっすぐに見えても一年もすれば曲がったり、ねじれたりしてきます。
特に地松はあばれます。乾燥機に入れた松が曲がって、やりなおしたと言う話は良く聞きます。
 うちの材料を買って下さるある大工さんは、うちの材料を使う前は自分の建てた家に一年に一度は行って、建て付けを直さなければいけなかったが、うちの材料を使うようになってからは一度も直しに行かなくてよくなったと言ってくれます。
 また、地松はとてもデリケートなので、なまの時に湿気に逢うと、青くなりやすいので、地松を自然に乾燥させるには技術と経験と辛抱強い管理が必要です。ですから、自然乾燥の地松を扱っている所はほとんどありません。
 しかし、自然乾燥なので、大量の注文には答えられません。いつも 3軒分くらいはストックできています。
杉の平小舞、破風、瓦座、母屋、杉板。桧の柱、等も自然乾燥でそろっています。桧のフロアー材も十分前もって注文して下されば準備できます。
 自然乾燥の松は つやもとても良く、強さもありますから、敷居や鴨居に使ったら最高です。



   うちの親戚の家の敷居です。築1年です。
   こちらは鴨居です。
敷居
戸やふすまをくり返し、開けたり閉めたりしても 丈夫で長持ちする。
最近は レールを付けるので マサメの敷居をつかわなくなってしまった。
鴨居 
戸の上の部分は 堀が深いので板目でもかまわない。
見た目がマサメのほうがきれいにみえる。

 30年 製材業をやっていますが、まっすぐな木は100本のうち1本くらいしかありません。
昔の大工さんは、曲がった木を曲がったなりに削って、じょうずに取り付けていました。木の性質を良く知っていました。木には腹とせご(背中)があって、腹を使ったほうがいい時もあるし、せごを使ったほうがいい時もある。
今の建築法は、寸法が企画にあいさえすれば、いかにもいい物のようにしている。
 木はどうしても、動くのでジャス法などに、なかなかあてはまるものではない。ジャス法に当てはめようとすると、修正材の方が有利にになる。修正材は接着材を使うのでどうしても、体に悪い有害物質を放出し、しらずしらずのうちに健康を害してしまう。
 昔は、風をうまく取り入れる家を作っていたが、今は高断熱??・・・・を好む・・・・が梅雨のある日本では、梅雨の時期に木が(家が)傷んでしまう。風通しのいい家が日本の気候にあっている。木は、水分を吸ったり、蒸発させたりしてくれる。
 今は、快適さを、求めすぎているのではないか?
少し前にNHKでみて、関心した。東京の木場には長い年月をかけて築いた木の歴史があった。何百年の大きな木を30年乾燥すると絶対にくるわないと言われていた。そんな木がたくさん保存されていて、圧倒された。今から30年乾燥したら、87歳になってしまう・・・
江戸時代?くらいからつづいている木の歴史がそこに残っている。長い年月をかけて築いたものをなくしてしまうのはもったいない。
うちの、工場長は50年木の仕事にたずさわってきていて、木の事はほんとに良く知っている。日本の家の良さを学ぶのは、生きる知恵ではないだろうか。


同じ金額を払って 30年しか持たない○○○ハウスと
100年持つ、本格日本建築 あなたはどちらを建てますか?