中村邸

 化学物質過敏症のご夫婦の家の材料に使っていただきました。 

 25坪ほどのいえです。化学物質過敏症は人によって使える材料が異なります。
ご主人の方が重症ですが木の香りは大丈夫でしたので、梁、桁など構造材には丈夫な地松を使いました
柱は桧と杉、壁は杉板と珪藻土。天井は杉板、床は桧。外壁は化学物質過敏症の人のために作られた
カシヌールという漆喰のような素材です。鎧板は水に強い杉板です。その上に柿渋をぬりました。
玄関を入ったところです。
玄関を入るとDKです。天井を高くしているので、解放感があります。
階段の上にロフトがあります。
左側にキッチン部分、右側に四畳半の畳の部屋が広がります。
バリアフリーでダイニングとつづきでも使えますし、冬は引き戸を閉めて使えます。
脱衣所とお風呂です。
和室の前に収納、次の部屋寝室にウォークインクローゼットがあります。
ドアは床材の桧の板の残りで特注です。
トイレと奥の寝室です。
寝室には朝日が差し込んできっと目ざめがいいはずです。
     桧の床材です  珪藻土です。いろんな塗り方をして 変化をつけています。     壁と天井は杉です。
 ご主人の症状が結構ひどいので、ご主人が入れる家を作ろう!と奥さんとひっしになって取り組みましたが、失敗もありました。
 主な失敗は、建具を作るのに材料は桧の板でしたが、設計士さんと建具屋さんの安易な判断で接着材に木工用のF☆☆☆☆(4つ星)を使ってしまったので、ご主人は短い時間しか滞在できず、食事だけさっさとすませ、お風呂にさっと入り、古い方の自宅へ退散すると言うぐあいでした。
 またフローリング用のワックスにESHA(エシャ)の米ぬかワックスをつかいましたが、これもあわず、EM菌でひっしで拭き取って、ほんものの米ぬかを作って木綿の袋に入れ、少しづつ磨いて行く事にしました。
あとは、テーブルと椅子、こたつの台は接着材を使わずに作っていただいたり、手作り家具の作って何年か経過した展示品を譲っていただいたりして、家具もなんとかそろいました。
 完成して一年半くらい経った今・・・やっと気持ちよくずっと滞在できるようになったようです。
『木がきもちいい』と言ってくださっているようです。化学物質過敏症の人の家を建てるには、一年か二年くらいは様子をみてから入るくらいの余裕を持つことが必要だと思います。後に我が家の子供部屋を改装するときに、大工さんと建具屋さんにひっしで頼んで、天然接着剤(シオンのニカワ、柿渋、木酢液等がつかってあるもの)を使って建具を作っていただきました。
冬は暖めてやわらかくしてから使わなければいけないという困難もありましたが、さすが腕のいい職人さん!りっぱな建具が完成しました!ちなみに・・・私も化学物質過敏症なのです・・・・。
すでに1年半くらい使った椅子とテーブルを写してきました。右上のは炬燵の台です。どれも接着剤を使わないで作ってあります。